こんな方へおすすめ
- 目の下のたるみ、クマが気になる
- 目の下の膨らみが気になる
- 皮膚の表面に傷を残したくない
- クマ取りの治療で長期的な効果を得たい
下眼瞼の加齢性変化の治療
眼瞼周辺は加齢性変形が最も表れやすい部位です。
下眼瞼ではくまやたるみ、しわが現れます。この章ではそれぞれの治療法について述べたいと思います。まず下眼瞼のしわの種類について示します。
しわにはちりめんじわ、深くて大きいしわ、表情じわに分かれます。ちりめんじわは皮膚の浅い部分の真皮層の 組織の萎縮が原因です。具体的には真皮層のコラーゲンやエラスチンなどの弾性線維、膠原線維などの成分が減 少し、変性することが原因です。治療はこのコラーゲンやエラスチンなどを増やすことになります。
熱を与えることで組織に刺激を加える方法(レーザーやIPLなどの光治療、高周波治療など)、皮膚に注入剤を 入れる方法(非架橋のやわらかいヒアルロン酸)、成長因子を入れる方法(既成品の成長因子療法)があります。
深くて大きいしわにはいわゆる涙袋といわれるまつ毛下の膨らみの下にあるしわ[inferior orbital groove] 、加齢により目立ってくる下まぶたの膨らみの下にあるしわ[ lid cheek junction(palpebromalar groove )]特に目頭側のしわ[tear trough (nasojugal groove)]などがあります。しわの間に膨らみが生じます。これがたるみです。Inferior orbital grooveとlid cheek junctionの間に生じ る下眼瞼の突出を目袋 [baggy eyelid]といいます。
目袋は眼窩脂肪の突出部[baggy eyelid]とlid cheek junctionにより凹凸が強調されてしまいます。

治療は凹みを改善する方法とたるみを改善する方法の単独もしくは組み合わせを行います。
凹みを改善する方法として組織を増量する注入剤(ヒアルロン酸やハイドロキシアパタイトなどの吸収性注入剤)、自分の脂肪を注入する脂肪注入などがあります。
たるみを改善する方法は軽度であれば細い吸収性糸を刺入して皮膚の引き締めをねらうリードファインリフト、
熱を加えてコラーゲンを増やし引き締める治療(レーザーやIPLなどの光治療、高周波治療など)があります。
皮膚の余りが多い場合は皮膚を切除する下眼瞼ハムラ法が良い方法です。
表情じわは表情筋の収縮により生じますので、ボツリヌストキシンを筋肉の過剰収縮部位に注入します。
表情が完全に無くなると不自然になることもありますので、少量注入から始めるのが推奨されます。
くまは大きく分けて3つあります。
- 黒(影)ぐま
- 茶ぐま
- 青(紫)ぐま
黒ぐまは目の下の眼窩脂肪が突出して生じるふくらみが原因で影が生じ、黒く見えます。東洋人は頬骨がやや低
形成なので、生じやすく、20代後半から見られる方もいます。
療はくまの下のくぼみ[lid cheek junction]に注入剤(ヒアルロン酸やハイドロキシアパタイトなどの吸収性注入剤)を入れる方法、自分の脂肪を注入する脂肪注入などがあります。
ただ、目の下の眼窩脂肪の突出は年齢ともに強くなってきますので、徐々に隠せなくなる可能性もあります。
当施設では積極的に眼窩脂肪の処理(手術)を行っています。
下眼瞼の縦断図

手術は一般に下眼瞼の裏側(結膜側)を切開して脂肪を切除するだけの治療が多く行われています。これは傷が表から見えないことや手術時間が短く、腫れが少ないなどの利点がありますが、次の2つの理由からおすすめしません。
1つ目:くまの下のくぼみ[lid cheek junction]は皮膚と骨が支持靭帯[retaining ligament]によってくっついており、これを外さないとくぼみの改善が不十分になります。
2つ目:目の下の凹みは組織が不足していますので組織を補充する治療を同時に行わなければくまの改善効果が乏しくなってしまいます。
そこで支持靭帯[orbicularis retaining ligament]を外し、その後のスペースに脂肪の突出部(目袋)から組織の凹みに脂肪を移動させることで段差の改善を図る手術方法として「下眼瞼ハムラ法」というものがあります。
隔膜前での経結膜アプローチ法

当施設ではまぶたの表を切らずに裏から手術(下眼瞼経結膜ハムラ法)を行うことが出来ます。
手技的には視野が狭く、行える医師は限られております。一方、皮膚の余りが顕著な方は皮膚を切る方法(通常の下眼瞼ハムラ法)も行っております。またどうしても表を切りたくない方は下眼瞼経結膜ハムラ法後にレーザーによる皮膚の引き締め治療を行うことで切らずにある程度改善させることが出来ます。
茶ぐまは皮膚の慢性炎症による色素沈着です。洗顔による皮膚の乾燥や摩擦による機械的刺激保湿などが原因とされています。治療はスキンケアを行います。場合によってはハイドロキノンの外用を行う場合もあります。
青ぐまは皮膚の質の問題ですので、やわからめのヒアルロン酸や、レーザー治療の効果があります。
下眼瞼の治療は経験が豊富な当施設へお越しください。
治療について
所要時間 | 2時間 |
---|---|
麻酔 | 静脈麻酔 |
洗顔 | 目の下のテープを貼っている間(3日間)は拭く程度。 洗顔料の使用はテープが剥がれた後から |
シャワー・入浴・洗髪 | 目の下のテープが濡れなければ翌日から可。 入浴は3日後以降で目の下のテープが剥れた後から可。 |
メイク | 目の下のテープが剥れた後に、傷の所以外は可。 傷の所(皮膚側を切る方法のみ)は抜糸後から可。 |
経過・ダウンタイム | 痛み・腫れ・傷口の赤みが出る場合がありますが経過とともに軽減します。 |
起こりうること | 白目が腫れる場合があり、その間はコンタクトレンズの使用は控えてください。 下まぶたの外反、下垂、腫れ、内出血 |